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安東水軍 あんどうすいぐん

尾崎酒造 (青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字漁師町30) 0173-72-2029   酒蔵見学:   直接購入:可能
創業:1860(万延1)年   年間製造:石
俳優、森繁久彌氏が感激したお酒。 森繁氏が名づけた「神の座」という銘柄も使用する。
「安東水軍 大吟醸 鑑評会出品酒

安東水軍 大吟醸 鑑評会出品酒
 好み度:★☆☆☆☆
 山田錦を使用して金賞を受賞した、2007BYのお酒。
 個性はさほど感じないものの、金賞と言われれば納得できる、バランスの良いお酒でした。







菊乃井 きくのい

鳴海醸造店 (青森県黒石市大字中町1-1) 0172-52-3321   酒蔵見学:   直接購入:
創業:1806(文化3)年   年間製造:400石
雪国の昔ながらの風景、木造のアーケード「こみせ」が残る通りにたたずむ蔵。

【私見】
 池袋東武で季節ごとに試飲していますが、個人的には酒質の安定しない、まだ成長途上というイメージを持っています。
 総じてキレイな酒質でじゅうぶんに多くの支持を得ていますが、安定して旨味を出せるかがこれからのテーマでしょう。
「菊乃井 純米生原酒 ひやおろし」、「菊乃井 本醸造生原酒」、「菊乃井 本醸造生原酒 3年熟成」
「菊乃井 純米吟醸」、「菊乃井 純米大吟醸 こみせ」、「菊乃井 純米無濾過生原酒」、「菊乃井 純米吟醸無濾過生原酒」
「菊乃井 純米吟醸生原酒 かすみにごり」、「菊乃井 特別純米酒」

菊乃井 純米生原酒 ひやおろし   [純米酒(生、原酒)]
 好み度:★★☆☆☆
 1800ml:2913(3059)円   900ml:1456(1529)円   アルコール度数:18.2   日本酒度:+4
 原料米:華吹雪   精米歩合:60%   酸度:2.0

 ひやおろしは通常しぼった直後に一度火入れをしますが、このお酒は生酒のまま熟成・出荷しています。

 しぼってから半年以上経過していますが、メロンを思わせるフレッシュな香りが残っています。
 なめらかな口当たりは、生熟成の成長の早さを感じさせます。
 はじめは甘味が目立ちますが、遅れて強い酸が現れてスッキリ感が出てきます。
 余韻には干しワラのような枯れた風味が残り、純米酒らしい魅力が楽しめます。
菊乃井 本醸造生原酒   [本醸造(生、原酒)]
 好み度:★☆☆☆☆
 秋に出荷される生原酒で、フレッシュな香りが魅力です。
 後味にアルコールの分離した化学的な風味が残るのがもったいないと思いました。
菊乃井 本醸造生原酒 3年熟成   [本醸造(生、原酒)]
 好み度:★☆☆☆☆
 生のまま3年間熟成されたお酒です。 落ち着きがでてきて、ボリューム感とスッキリ感の両立が楽しめます。
菊乃井 純米吟醸
 好み度:★☆☆☆☆
 なめらかな口当たりで、花の香りや果実の香りなどの繊細なバランスが魅力です。
菊乃井 純米大吟醸 こみせ
 好み度:★☆☆☆☆
 蔵が面する、古くからの木造アーケード「こみせ」を冠したお酒です。 華やかな上立香が印象的です。
菊乃井 純米無濾過生原酒   [純米酒(無濾過、生、原酒)]
 好み度:★☆☆☆☆
 しぼってまもない時期に、何も調整しないで出荷されたお酒。
 若いためまだすっぱさが残っていて、味がバラついている印象でした。
 まだ出荷時期ではないと思いましたが、酸度が2.0もあるので、熟成が楽しみなお酒です。
菊乃井 純米吟醸無濾過生原酒   [純米吟醸(無濾過、生、原酒)]
 好み度:★☆☆☆☆
 上記「純米無濾過生原酒」と同様、まだ出荷時期ではない印象です。
 香味の落ちついてくる秋以降が楽しみなお酒です。
菊乃井 純米吟醸生原酒 かすみにごり   [純米吟醸(生、原酒)]
 好み度:★☆☆☆☆
 まだ若々しく味乗り不足の印象ですが、うっすらとにごった部分からはお米の味が感じられて楽しいです。
菊乃井 特別純米酒
 好み度:★☆☆☆☆
 ミネラルを感じる、硬質でスッキリとした酒質。
 個人的にはもう少し味があるタイプが好きですが、クリアで良いお酒です。







じょっぱり

六花酒造 (青森県弘前市大字向外瀬字豊田217) 0172-35-4141   酒蔵見学:事前連絡必要・要予約(平日20人以内なら可能)   直接購入:
創業:1972年(発足)   年間製造:6000石
 1972(昭和47)年、弘前市内の3社が合併して発足。 六花酒造の名は、当時の弘前市長が考案した。 5万石の製造能力がある。
   「じょっぱり」は、強情を張る頑固者という意味の津軽弁。 意地っ張りに近い。
   地元産米むつほまれ・華吹雪の使用にこだわっている。
   甘口全盛期の1970年代、初代杜氏の竹沢杜氏はしっかりと甘味を切った本醸造をつくり、「じょっぱり」の名で販売した。
 1988年の青函トンネル開通にちなみ、青函トンネルの湧水を利用したお酒づくりも行っている。
「じょっぱり 純米酒

じょっぱり 純米酒
 好み度:★☆☆☆☆
 1800ml:2136(2243)円   720ml:1067(1121)円   アルコール度数:15.5
 原料米:むつほまれ   精米歩合:65%   酵母:協会901号   酸度:1.6   アミノ酸度:2.0

 苦味や酸味をからめた複雑な旨味が感じられますが、ボリューム的には軽く、後口もあっさりとしています。







田酒・喜久泉 でんしゅ・きくいずみ

西田酒造店 (青森県青森市油川大浜46) 017-788-0007   酒蔵見学:一切不可   直接購入:不可(HPで取扱酒販店を紹介)
創業:年   年間製造:2500石   平均精米歩合:53%   特定名称酒比率:100%(吟醸酒・純米酒のみ、本醸造は製造しない)
品薄状態が続くほど全国中にファンを持つ、純米酒復活の功労蔵。
 1974(昭和49)年、純米酒「田酒」を発売。
   酒造好適米を用い、3基ある旧式の槽をつかうなど、基手間ひまをかけたお酒づくりを続けている。
 1992(平成3)年、青森県のかつての名酒米、古城錦の復活栽培をはじめる。
   現在使用する酒米は、山田錦・山田穂・短稈渡船・華吹雪・華想い・古城錦など。
 2004(平成16)年、5代目である西田司氏(45)が社長に就任する。
 2005(平成17)年、細川良浩杜氏(36)が通年社員として就任する。 蔵人の平均年齢が40歳となる。
   従来発売されなかった生酒・にごり酒を発売するなど、新体制となった変化があらわれはじめている。
   すべての商品で活性炭による濾過を行わない、全量無濾過の蔵である。

【私見】
 純米酒復活の草創期、つまりベタ甘なお酒の全盛期に、このような落ちついた旨味は衝撃的だったと思います。
 ただ、群雄割拠の現在、西日本の濃醇酒と飲みくらべてみると、あくまで「東北のキレイで軽い酒質」であることがわかります。
 個人的には少し物足りない印象を受けてしまいます。
 しかし、代替わりで新体制となった西田酒蔵店のこれからには大いに注目しています。
田酒 特別純米酒」、「田酒 山廃純米酒」、「喜久泉 吟醸」、「喜久泉 大吟醸 鑑評会出品酒 金冠喜久泉」

田酒 特別純米酒
 好み度:★★☆☆☆
 1800ml:2525(2651)円   720ml:1360(1428)円   アルコール度数:15.8   日本酒度:+3
 原料米:華吹雪   精米歩合:55%   酵母:協会9号   酸度:1.5

 この蔵を代表する、非常にファンの多いお酒。
 冷温で飲むと、スッキリした中にさりげない旨味が現れます。 余韻のおだやかさが魅力的。
 しかし、このお酒の本領を発揮させるなら、ぬる燗でしょう。
 温めることで、良くも悪くも土臭さのある独特の苦味・旨味がふくらみ、唯一無二の個性をつくります。
 このおだやかな味わいが、都会のお酒ではなく、田のお酒である証でしょう。

 おしむらくは、不当な中間利益を得ようとプレミア価格がつけられてしまうことです。
 定価で購入すれば、良いコストパフォーマンスを見せてくれます。
田酒 山廃純米酒  [純米酒(山廃)]
 好み度:★★☆☆☆

 山廃ということで、スタンダードな上記「田酒 特別純米酒」よりも濃醇なお酒をイメージしていました。
 ところが、乳酸のクリーミーな口当たり、シャープな酸が魅力の軽やかなお酒でした。
 丁寧なつくりによって、キレイな酒質という山廃本来の魅力が引き出されています。
喜久泉 吟醸   [吟醸酒]
 好み度:★☆☆☆☆
 1800ml:2912(3058)円   アルコール度数:15.5   日本酒度:+3
 原料米:華吹雪   精米歩合:50%   酸度:1.3

 吟醸酒ですが、果実のような華やかな香りというより、落ちついた穀物様の香りが主体となっています。
 ささやかな味わいのなかにもお米っぽさが感じられます。
 口当たりからなめらかに伸びてゆく、香味のバランスの良さは特筆モノです。

 個人的には「田酒」シリーズと同様、もうひと押しする力強さが欲しいなあと思いました。
喜久泉 大吟醸 鑑評会出品酒 金冠喜久泉
 好み度:★☆☆☆☆
 山田錦以外のお米で出品した大吟醸。
 金賞受賞はなりませんでしたが、ベタつく甘さの大吟醸が多いなか、ドライで好印象でした。







南部蔵・富貴 なんぶくら・ふうき

合同酒精八戸工場 (青森県八戸市城下2-11-67) 0178-22-1131
兵庫「富久娘」・北海道「北の誉」・新潟「越の華」などを擁し、年間で合計12万石を醸す、全国9位の規模をほこるオエノングループに属する。
「南部蔵 長月花 大吟醸 鑑評会出品酒

南部蔵 長月花 純米大吟醸 鑑評会出品酒
 好み度:★☆☆☆☆
 720ml:2360(2478)円   アルコール度数:16.5

 華やかで自己主張が強い出品酒たちのなか、さわやかな香りと繊細さが印象的でした。
 後にしらべておどろいたのが、純米づくりだったことです。
 鑑評会では香りをひきたてるために少量のアルコールを添加することが多いですが、このお酒はちがいます。







八鶴・蔵物語 はちつる・くらものがたり

八戸酒類八鶴工場 (青森県八戸市大字八日町1) 0178-43-0011   酒蔵見学:年中無休で可能(要予約)   直接購入:可能
創業:1944年(統合)   年間製造:3000石以上(詳細未調査)
1944年、戦時下の企業整理令により、八戸周辺の酒蔵が統合される。
  吟醸酒以外のほとんどのお酒を、酸の少ない協会10号酵母で仕込むという個性派の蔵。 吟醸酒は協会9号系の酵母を用いる。
「三戸のどんべり 純米酒

三戸のどんべり 純米酒   [純米酒(にごり)]
 好み度:★★☆☆☆
 1800ml:1845(1937)円   720ml:1048(1100)円   アルコール度数:15.5   日本酒度:−25
 原料米:むつほまれ(青森県産)   精米歩合:63%   酵母:協会10号   酸度:1.4

 にごり酒は当たり外れの激しい商品ですが、このお酒はやさしい甘味で飲みやすいタイプです。
 固形部分が多いため、少しザラついた感触があり、飲み口も重くなっています。

 しかし、マイナス面をカバーしてありあまる、お米の旨味が魅力的です。
 日本酒度−25から想像するようなベタつく甘さはなく、北国のお酒らしいひかえめな味わいです。








鳩正宗 はとまさむね

鳩正宗 (青森県十和田市大字三本木字稲吉176-2) 0176-23-0221   酒蔵見学:   直接購入:可能
創業:1899(明治32)年   年間製造:石(従業員11名ということで、多くても2000石未満だと思われます)
創業当時の銘柄は、地元の稲生川にちなんだ「稲生正宗」。
  昭和初期、蔵の神棚に住みついた一羽の白鳩を当主が守り神として死後もまつり、「鳩正宗」と改名した。
「鳩正宗 吟麗 大吟醸 鑑評会出品酒」

鳩正宗 吟麗 大吟醸 鑑評会出品酒
 好み度:★☆☆☆☆
 山田錦を使用して金賞を獲得した、2007BYのお酒です。
 香味ともに突出した部分がなく、バランスの良い大吟醸でした。







豊盃 ほうはい

三浦酒造 (青森県弘前市大字石渡5-1-1) 0172-32-1577   酒蔵見学:   直接購入:不可
創業:年   年間製造:400石
酒米「豊盃」を復活栽培。 兄弟によるお酒造り
「豊盃 特別純米 カップ」

豊盃 特別純米 カップ
 好み度:★☆☆☆☆
 180ml:286(300)円   アルコール度数:15.5   日本酒度:+3
 原料米:華吹雪(青森県産)   精米歩合:(麹米)55%、(掛米)60%
 酵母:協会901号   酸度:1.2   アミノ酸度:1.4

 個性的な苦味により、スッキリ感が引き立ったお酒です。
 コロコロと丸みのある口当たりで、やさしい甘味があり、東北らしい酸の少ない軽い味わいです。







松緑 まつみどり

斎藤酒造店 (青森県弘前市大字駒越町58) 0172-34-2233   酒蔵見学:   直接購入:可能
創業:1904(明治37)年   年間製造:石
「松緑 大吟醸 鑑評会出品酒」

松緑 大吟醸 鑑評会出品酒
 好み度:★☆☆☆☆
 山田錦を使用して金賞を獲得した、2007BYのお酒です。 いかにも東北らしい繊細なお酒でした。







桃川・ねぶた ももかわ

桃川 (青森県上北郡おいらせ町上明堂112) 0178-52-2241   酒蔵見学:事前連絡・確認必要   直接購入:可能
創業:1889(明治22)年   年間製造:14000石
1992年、アメリカのオレゴン州に進出し、現地生産を開始する。 日本からの輸出も行っている。
「桃川 大吟醸 鑑評会出品酒」

桃川 大吟醸 鑑評会出品酒
 好み度:★☆☆☆☆
 山田錦を使用して金賞を獲得した、2007BYのお酒です。 苦味がスッキリ感を印象づけていました。
ねぶた 淡麗純米
 好み度:★☆☆☆☆
 1800ml:1922(2018)円   720ml:922(1041)円   アルコール度数:14.5   日本酒度:+5
 精米歩合:65%   酸度:1.4

 2008年、春期全国酒類コンクール純米酒部門第1位、第24回全国日本酒コンテスト純米酒部門第1位。
 2004〜2008年、全米日本酒歓評会純米部門金賞。 とのことです。

 「淡麗」と名乗っているとおり、非常にサラッとした仕上がりのお酒。 北国らしい酒質です。
 濃醇酒を好む私としては「ねぶた祭りのように迫力満点」という名実の一致を期待してしまいます。
 毎年祭りが終わったら壊されてしまうという、ねぶたのはかなさを表現しているのでしょうか。
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